テープ起こし40年の機材の変遷

カセットテープのアイキャッチ画像テープ起こし

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1976年、初めてのテープ起こし:ラジカセ+原稿用紙+ペン

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私が初めてテープ起こしなるものを知ったのは20歳の時でした。なかまが「いいバイトがある」といって、ある出版社からテープ起こしの仕事をもらってきたのです。その時のことは今でも鮮明に覚えています。

録音内容は、ある有名な学者による法華経の講義でした。カセットテープに録音された講義1時間で2万円だったと記憶しています。バイトとしては破格だと大喜びで引き受けました。しかし結局10日以上もかかってしまい、まったく割の良いバイトではありませんでした。

当時私が持っていたカセットは、ドでかいラジカセです。いちいちガチャンガチャンと押してテープを再生しなければなりません。さらに内容が内容でした。つまりお経というのはすべて漢文、ものすごく字画が多いのです。それをいちいち手書きで書き、さらに清書します。とんでもない時間がかかりました。

あとでわかったことですが、発注した出版社は、学生のバイトなのでたいした精度は求めていなかったようなのですが、こちらは精一杯やったわけです。バイトをもってきた本人は「もうコリゴリ」と言って引きましたが、私は大変だけど面白いなという気持ちで、その後も何回か引き受けました。

ちょうど40年前のことです。あの頃は、ラジカセを使い再生し、原稿用紙に直接手書き、すべてアナログのでした。

 

1983年、業務でテープ起こし:カセット+ワープロ

 

つぎにテープ起こしを行ったのは、私が働いていた団体での議事録づくりでした。当時つとめていた職場では、年に数回大きな会議をやるのですが、その議事録を作らなければなりません。みんな面倒なので一番若い新入りの私に押し付けたのです。

この頃になると職場にワードプロセッサーが導入されていましたので、手書きと比べ非常に早く入力できるようになりました。入力だけでなく編集や校正も簡単にできるようになっていたのです。手書きと比べての速度の差には、驚嘆したものです。

その後、私はある研究団体に移りましたが、そこでも講演やシンポジウムなど、なぜかテープ起こしの仕事は継続することになりました。

 

1996年、テープ起こし独立:トランスクライバー+パソコン

 

独立と言えば聞こえはいいのですが、実態は職場の再編で、そうせざるを得なかっただけです。この前年にWindows95が発売され本格的なパソコン時代に突入します。

正確な記憶はないのですが、2年後位にトランスクライバーを導入しました。この機械は手を動かさずに、足でテープの動きを制御できます。目は画面を見つめ、足で再生をコントローラーし、手で打ち込むので、一気に効率がよくなりました。

 

2000年代、ICレコーダーの普及:ICレコーダー+パソコン

 

2005年頃からでしょうかICレコーダーによる録音が増えてきました。最初にICレコーダーからテープ起こしをした時は、ファイルから直接起こすのではなく、いったんカセットテープに録音し、トランスクライバーで再生していたと思います。

で、気が付いたらカセットテープで録音するなんて人はいなくなりました。録音も再生もICレコーダーに替わってしまっていました。音声データも納品データもメモリーカードでのやり取りになってきました。

 

2016年現在、すべてデジタル化:ICレコーダーとパソコン

現在、私はICレコーダーで録音された音声データをPCソフトで再生し、同じPCでテキスト入力しています。いぜんのトランスクライバーのようなフットスイッチも発売されていますが、現在は使っていません。再生・入力はPC1台で完結しています。

というのも最近は、ほとんど巻き戻しての再生をする必要がないからです。音声または文節の区切りで止めてOKです。このへんのやり方はまた別の機会にご紹介したいと思います。

この40年で受注や納品の形態も大きく変化しました。昔はテープを受け取り、原稿用紙で納品していました。いまではネットでデータを受け取りネットでデータを納めるようになっています。テープと原稿用紙という現物を足で運んでいたのが、データとネットにより移動無しで完結するようになりました。

以上、簡単に記憶をたどりながら、自分がやってきたテープ起こしの歴史と使ってきた機材を振り返ってみました。つぎからは、具体的なテープ起こしの方法などご紹介したいと思います。

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